マジっすか!?

「マジ」 という言葉があります。 最近はテレビで芸能人(特に芸人)が事あるごとにこれを使うので、耳に障ってとてもウルサク感じることもありますが、それに影響されてか若者だけではなく比較的高い年齢の人でも使っているのを耳にすることがあります。

この 「マジ」 という言葉ですが、私の記憶によると小学生の頃・・・ですからもう 20 年近くほど前になりますか。 何かの漫画の吹き出しで 「本気」 という漢字に 「マジ」 とふりがなが振ってあるのを見たのと、当時はアイドルで現在は奥様のアイドルである薬丸裕英さんの口癖と、とんねるずの 『皆さんのおかげです』 というバラエティー番組内で、「本気と書いてマジと読む!」 という石橋貴明さんのギャグというか得意の言い回しで、クラス中・学校中に広まったように思います。

ま、ここらへんはあいまいで、この 3 つの順番も確かではありませんが、とにかく小学生のそのときみんながこぞって使い出したのは間違いないと思います。 それまでは、何か人が言った事に対して自分が信じられない場合には、とにかく 「ウソ!?」 とか 「ウッソ〜」 とか言ってたハズです。 すいません、これもあいまいです。

私ももちろん学生時代は使っていました。 ていうか、こういう言葉は知らず知らずのウチに周囲に影響されるもので、自分が使っているかどうかも意識さえしてませんでしたが、社会人になってからは使わない、もしくは使わないように意識するようになりました。

親しくもない人や特に目上の人に使う言葉ではないように私などは思うのですが、テレビではたとえ目上の人であっても 「マジっすか!?」 と言うのを聞いて、なんだかすごく違和感を覚えるのです。 今さっき観ていたある番組のある芸人も、VTR を観ていて 「マジッすか!?」 の連発です*1。 ま、彼らは特殊な芸能界という世界の中でのことなので、なんでもありの風潮から許されるでしょうが、我々の一般社会でたとえば上司に対して 「マジっすか!?」 はないだろうと。

話の内容を疑う事自体も失礼なのですが、せめて 「本当ですか?」 だろうと。 こう思うわけです。 「マジっすか」 は丁寧な言葉ではありません。 むしろ野卑な言葉です。 これを意識しないで使っている人が多過ぎます。

でも、この 「マジ」 という言葉、この 20 年でもう日本語として定着しきっているのも確かです。 「本気」 と書いて 「マジ」、「真剣」 と書いて 「マジ」 と読んでしまいがちですよね。 でも、私は 「それってマジっすか!?」 と聞かれたら、「マジだよ」 とは絶対に言わず 「うん、ホントだよ」 と答えることにしています。

ちょっと考えてみてください。 現在この 「マジ」 を全開で使っている我々世代が 70, 80 歳のおじいちゃん・おばあちゃんになった時を。 老人のそういう日常会話はなんか気色悪く思ったのですが、孫などから 「“マジ” ってなに? なんか古〜い」 とか言われて、案外みんな言わなくなってる可能性が高いかも。 言葉ってそんな部分がありますから。

*1:儲かりマンデー』 という番組に出ている極楽とんぼ加藤浩次さんのことです。 これを書くきっかけ。