江戸っ子?

先日、西日本新聞を読んでいたら、七輪は 「しちりん」 ではなく 「ひちりん」、七面鳥は 「しちめんちょう」 ではなく 「ひちめんちょう」 と発音すべきでは? という内容の読者による投稿を目にしました。

私はそれを読んだ瞬間、この人なに言ってるんだろ 「しちりん」 でいいんじゃないの? と思ったのですが、いつの頃からか本来の読み方ではないモノが定着し、知らず知らずにみんな使っているというよくある類のモノかと思い、ちょっと不安になったので調べてみたのです。

とパソコンで書いたそばから変換してみると、「しちりん」 は “七輪” となりますが、「ひちりん」 では漢字変換できないんですね。 IME2000 では “非地りん” とかなってしまいます。 なんじゃそりゃ。

広辞苑でも調べましたが、「しちりん」 でしか載っていないので、地域によって 「ひちりん」 言うところもあるようですが、やっぱり 「しちりん」 のほうでいいみたいです。 そう言えば、ネットで知り合った者同士が集まって、車の中で自殺するというのが流行っていますが、その引き金役に練炭とともによく使われるのが七輪。 で、ニュース記事を見るとそこでも 「しちりん」 となっていますね。

その後もその広辞苑で 「しち」 で検索しスクロール(電子辞書だす)しましたが、日本語の “七” で始まる語句でそれを 「ひち」 と呼ぶものはありませんでした。

  • 七月(しちがつ)
  • 七五三(しちごさん)
  • 七十五日(しちじゅうごにち)
  • 七転八倒(しちてんばっとう)
  • 七味唐辛子(しちみとうがらし)

などありますが、「ひちがつ」 「ひちごさん」 などと頭を 「ひち」 に置き換えて漢字変換しても確かに出て来ませんし、それどころか広辞苑では “七” を 「ひち」 と読む語句は皆無でした。 でも、これら挙げたもので私は 「ひち」 と読んでいるのもある・・・。

ところで、喋り言葉と書き言葉の不一致ってよくありますよね。 “一応” を 「いちお」、“雰囲気” を 「ふいんき」、“この間” を 「こないだ」、“脱出” を 「だしゅつ」 など、普段はそういう風に発音気味なので、元々の漢字の読み方が頭に入ってないと間違えやすいです。 いざそれで漢字変換しようと思ったら出来なくて悩んだ、なんていう話を他所でたまに見かけます。

あと、質屋(しちや) を 「しつや」 と読んでいたことがある、というのはここだけの秘密です。