も、もうダメ・・・

こういう話があります。

一昨日予約をしておいたところに行くと、建物の入り口から覗いた中は意外とガランとしていた。 すでに今月に入って 4 回も訪れている俺は勝手知ったるもので、いつものように受付を簡単に済ませ、これから始まる出来事に一抹の不安を感じながらもイスに座って待っていると、目の前のドアから歳若い女性が現われ自分の名前を呼ぶ。 「これが終わればスッキリするんだ!」 と自分に言い聞かせ、「ぜひスッキリしたい!」 と期待に胸を膨らませた俺を彼女はドアの奥へと誘うので、イスから素早く立ち上がりおとなしく後について入っていく。

個室に通されるといきなり横に寝かされた。 その彼女は 「しばらくお待ちください」 という言葉を言い残し、俺を置き去りにして出て行く。 周りはキレイに整理整頓され清潔感に溢れている。 どれもこれもピカピカだ。 横目でそんな周囲の状況を確認しながら待っていると、先ほどとは違ういかにも手馴れてそうな感じの別の女性が入ってきた。 挨拶を交わして軽い会話をした後、さて本番と相成った。 これから起こる諸行無常の行いに俺は身を硬くしたが、彼女はリラックスすることを勧め、それに素直に従おうとするが正直な体は敏感に反応する。

すると突然、その彼女の指が俺の口の中へとおもむろに挿入された。 俺は 「うぐぅっ」 と声にならない声をあげ、積極的な彼女の行動に一瞬驚きを感じるが、俺はもうされるがままの状態で、ただ黙って指の感触を口で確めることしか出来なかった。 こ、こんなの始めて・・・。

傍らにはもう一人別な女性もいて、狭い部屋の中で 3P の様相を呈していた。 横たわった姿のままなにも出来ない俺に対し、彼女らは時には前へ、時には後ろへと指を激しく動かし、強烈な吸引力を持つ器具や、脳髄に痺れを引き起こさせるような音を響かせる器具を容赦なく突っ込み、俺をスッキリさせるべくそれら作業をたんたんと機械的にこなしていく。

時間としては入室して 15 分も経ってなかっただろうか、主導権を握っていた彼女が 「お疲れさまでした」 と言い本日の最終目的を達した。 まだ若干のシビレが残っているが、なんだか身軽になったような気がして、スッキリした面持ちでその女性に感謝の言葉を述べ、その部屋を後にし料金を払った。 もちろん、次回の予約を行ったことは言うまでもない。

受付の女性は最後にこう言ってニッコリ微笑む。 「1 時間は何も食べないで下さい」 さらにこうも付け加える。 「月初めなので保険証を持ってきてくださいね」 さぁ、次回は 3 日後だ。 入るときとは違って明らかに軽くなった足取りで、俺はスリッパから自分の靴に履き替え、すがすがしさと共にその建物を後にした。

つまり、私が歯医者さんで歯の治療を行ったときの話です。