ザル法

道路交通法の一部改正により、11 月 1 日から自動車又は原動機付自転車の運転中に 「手で持っている携帯電話等により通話を行い」 「又はその画面を注視する行為」 が罰則の対象になり、3 月以下の懲役又は 5 万円以下の罰金が科されることになります。

警察庁のウェブサイトには、その行為が危険であることの理由に以下 2 つが挙げられています。

  • 片手運転となり、運転操作が不安定となる
  • 会話に気がとられたり、画像を注視することにより、運転に必要な周囲の状況に対する注意を払うことが困難となる

片手運転 “も” 危険だとは思います。 私は自動車免許を取って以来、10 年近くず〜っとマニュアル車だったんですが、3 年ほど前にオートマ車に乗り換えてからというものの、別に携帯電話を使うかどうかじゃなく、私もこれはいけないと思いながらもしかし無意識に、つい左手をアームレストに乗せて片手で運転していることが多くなりました。

車の運転をする人でどっちの車にも乗ったことのある人は分かると思いますが、マニュアル車は頻繁なシフト操作で忙しく、左手を使う場面が多々あるのですが、基本的にオートマ車の場合はシフトを D に入れて発進したらそのままでよく、左手を使う場面が少なく手持ち無沙汰というのも変ですが、運転中はバックする時以外はほとんど必要ありません。

マニュアル車の頃は左手をシフトレバーに乗せて片手運転になることもありましたが、それもシフトアップ・ダウンが終わればハンドルを持っていました。 使わないほうの手はだんだんと怠けてくるものです。 もちろん、そうなるのは広い道路を直進しているときだけで、右左折のときや狭い道路を走る場合はキチンと両手で持ちますけど。

でも、この運転中の携帯電話の場合は違います。 もうこれは実験結果でも証明されて明らかなように、意識を携帯電話のほうに持っていかれるからという後者の理由のほうが重大です。 記載の順番を逆にしたほうがいいくらいですね。

どんな運転のベテランでも、通話のほうに注意が向くと逆に周囲への注意が削がれ、そのような状態で公道を走るのは非常に危険です。 メールを見ながらなんてのはもう、言うまでもなくもってのほかですね。 お前ごときが運転中にも関わらず 1 秒でも早く見ないといけないようなメールが来る人間かよバカチンが! という感じです。

携帯電話で会話しながら運転したり、これをよく見るのですが、携帯で話しながら交差点を片手でハンドルを操作しながら曲がって行くなんて、私なんかからしたら 「よく怖くないものだな」 と呆れると供に、絶対に同乗したくないし近くにも寄りたくないなと思います。 彼らに 「器用」 なんて言葉は使いたくはありません。 「あーこの人は普段から周囲を見ないで運転している、運転が下手クソな人なんだな」 という認識です。

だって、運転しているときはサイドミラーやバックミラー、及び目視で周囲の情報を収集し判断するものでしょ。 そうじゃないと怖くて運転なんか出来ません。 その収集と判断が携帯電話による会話で、おろそかになり遅延を生じるのです。 ところが、携帯電話で話しながらでも平気で交差点を曲がっていくようなヤツらは、自分は大丈夫だと思っています。

そうなると、やはり 「普段から周囲を全く見ていない下手クソドライバー」 と言われるしかありません。 普段から情報の収集と判断をやっていないので、携帯電話でそのレベルが全体的に下がったとしても、もともとのレベルが低いためにその怖さを感じないんですね、きっと。 本人が怖くなくて本人が死ぬだけならこっちは一向に構わないのですが、これが周りの人間様にに被害を与えるからたちが悪い。

今回の改正では、ハンズフリー装置の使用はお目こぼしとなり、警察庁の Q and A のページでも規制の適用外だとハッキリ書いてあります。 行きつけのイエローハットでは、このハンズフリーのセットが今月に入ってから急激に売れ始めていて、運送関係の人が 30 個とかまとめて買っていっているそうで、全車分揃えるのに 30 万以上かかるけど反則金のことを考えれば安いものだ、とか言ってましたが、それによる事故のことを考えれば、それが安い買い物だったのか今から見ものです。

この法律、まったくザル法だとしか言いようがありません。 最初聞いたときに 「業界からなんか圧力でもあったんだろうか?」 と穿った見方をしてしまったほどですが、ま、そのうちにこのハンズフリーも禁止になるのではないかと密かに楽しみにしています。 ならないなら、ぜひ暴れます。