視点を固定すると危ないよ

狭い道路では別ですが、真っ直ぐに延びた幹線道路などでは、ドライバーの視点というのは比較的に遠方へといっています。 特に一車線以上で道がすいていたりすると、無意識に一つ二つ先の信号・交差点などへと注意がいってたり。 そのように先のほう先のほうばっかりだとどうなるかというと、そうした背景の動静に隠れてまさに目の前数十メートルがフッと消えてしまうことになります。

去年、運転免許証の更新に免許センターに行ったのですが、まさにそういう現象が原因の事例を講習のときに話されまして、免許センターのすぐそばで起こった事故という事と、あまりの悲惨さと事故状況の衝撃で凄く印象に残りました。

免許センターのある通りは片側 2 車線の道路で、最近郊外に移転したばかりで車も市中心部よりは多くないという所でして、そのほとんど直線部分にあった横断歩道でのことだったそうです。 お母さんと幼稚園くらいの子供が、横断歩道のところで歩行者用信号が青になるのを待っていました。 しばらくすると青に変わったので、お母さんは子供の手を引っ張り歩いて渡っていたら、車がそのままのスピードで突っ込んで来たそうです。

その母子は数十メーター飛ばされて即死。 信号が青になってから渡っていたのに跳ねられしまいました。 しかも、真昼間にです。 車は特別スピードを出していたわけでもなく、脇見運転でもありません。 もちろん携帯電話で話していたわけでもありません。 キチンと前を見て運転していました。 そのドライバーはこう言ったそうです。 「人が渡っているとは気付かなかった・・・」 赤信号に気付いていなかったどころか、人がそこにいるということすら自分が跳ね飛ばすその瞬間まで気付かなかったそうです。

もちろん、その母子にはなんの落ち度もありません。 車の信号無視です。 話によると、他に車もない直線部分のために先のほうに目が行っていて、しかもその先の先までずっと信号は青、そのようなところを走っていてつい考え事をしたため、すぐ目の前の赤信号と人間の存在が完全に消えていたようだ、ということでした。

これを聞いた帰り、話にあった場所で運転が慎重になったということはもちろんのこと、これからもより一層運転に “気を使って” いこうと心に誓ったのでした。 なので、携帯電話で話しながら運転なんていうのは、私などからした怖くてとうてい出来ることではありません。