もともと

ここはスタートレックに関するマニアックな事を書いていく場所だったのに、ここ最近は興味の対象が変わり電子工作の発表会のようになってしまったので、年末に向けて原点回帰してみよか。


一時期、文明化されていない人達の所に文明人(我々日本人)が行ってそこでの生活を体験し、また逆に彼らを我々の文明世界に招待して反応を楽しむというヒネた番組がたくさん放送されていた。

スタートレックの世界なら第1級優先事項である"他の文明に干渉しない"というのに100%触れてしまうこういう番組は、自分達がただ優越感に浸りたいだけなんだろう。

文明化されていない人達が自分の地に帰る時、文明人の我々に別れを惜しんでホントに"手作り"の贈り物をくれたりする。逆に文明世界に住んでいる我々はホントに"手作り"のモノを贈る事が出来る人というのはそうはいない。 ほとんどお金を出して買う"既成品"ばかり。

好きではない番組の一つ。

LED 警光灯フラッシュユニット rev.2 〜4〜

基板を作っていきますが毎度の事なので、ここは写真のみで紹介します。

▼ 感光基板用マスクの完成

▼ 感光基板に焼き付け

▼ 基板の完成

▼ 部品の実装

▼ ハヤコートグリーンでコーティングして完成!


プログラムはいつものようにアセンブラで。 全 16 パターン出来るのですが、現在の日本の緊急自動車に採用されているものだけに絞り、10 パターンを作ってみました。以下がそのパターンです。

  1. 大阪サイレン社 トリプルフラッシュ(同時)
  2. 大阪サイレン社 トリプルフラッシュ(交互)
  3. 大阪サイレン社 ランダムフォー(同時)
  4. 大阪サイレン ランダムフォー(交互)
  5. パトライト社 トリプルフラッシュ
  6. パトライト社 クアッドフラッシュ
  7. 小糸製作所 LED 警光灯(トリプルフラッシュ)
  8. Federal Signal 社 ActionFlash
  9. Federal Signal 社 SingleFlash75
  10. WHELEN 社 → Signal Alert

1,2,3,4,6 はハイメディック救急車のフロントグリルや消防車などで、5 は最近のパトカーのフロントグリル部で、7 はこれまた最近のパトカーの赤色警光灯で、8,9,10 は消防車でそれぞれ見ることが出来ますね。


今回のために LED ユニットとして何かないかとカー用品店を探していたら、とても良いものを見つけました。トラック用として売られていた「LED3 フラットマーカーNEO 24V」という商品です。

▼ LED3 フラットマーカーNEO 24V

もともとは車体の大きさの目安のために大型トラックの側面などに取り付けるもので、24V で点灯させるものなのですが、12V でも表記されている消費電流より大きくなるものの問題なく明るく点灯出来ました(80mA → 160mA)。

▼ 中身

中はこのように LED が 3 個入っていて樹脂でコーティングされています。 レンズ効果と相まってとても明るく点灯します。 2,000 円程度とお値段も手ごろですね。

▼ 点灯させたところ


さて、点灯パターンは以下の動画でご覧ください。

▼ LED Warning Flash Unit rev.2

上の埋め込み動画で画質が悪い場合、Youtube にジャンプして再生すると HD 画質で見ることが出来ます。

https://www.youtube.com/watch?v=mflZzEcVG9U

他にフラッシュパターンのリクエストがあれば受け付けます。

LED 警光灯フラッシュユニット rev.2 〜3〜

仕様変更。 ICSP を止めたので 16F628A では少々ポートが多過ぎる。 なので、ピン数の少ない 16F630 を使うことにします。

PIC16F630 - Microcontrollers and Processors

早速いつものように基板設計ソフト KiCad にて作っていきます。

▼ 1. 回路図

配線の都合上、各ポートの用途を若干変更しています。

▼ 2. 基板レイアウト図

この基板を 3D でグリグリ見る機能があるのですが、他の部品は 3D データがあるものの DC-DC コンバータの M78AR05-0.5 は見つかりません。無いものは作りましょう。 作るソフトには Wings3D というフリーソフトで作るのが良いようです。

全く初めてなのに、いくつかのチュートリアルを見ただけで作れました。 このソフトなかなか大したものだと思います。もっとも比較的形が単純だったというのもありますけど。


▼ 3. M78AR05-0.5 の 3D モデリング

作った 3D モデルを読み込んで基板を 3D で見てみます。

▼ 4. 基板の 3D 化

3D で見て部品実装時の不具合などを確認していきます。

▼ 5. プリントアウト

一旦紙に印刷して実際に部品をパターンにはめ込んでみます。 配線の引き回しやドリル穴の位置など再確認。


1. に戻る。

実際は 1 から 5 まで一発で OK とはいかなくて、何度も行き来して最終的な感光基板用マスクを作り上げていきます。

LED 警光灯フラッシュユニット rev.2 〜2〜

[MOS-FET モジュール部]

MP4401 の代わりに NDS9936 という N チャンネル MOS-FET が 2 回路入っているモジュールを使ってみます。

NDS9936 データシート(PDF) - Fairchild Semiconductor

試しに 300mA 程度の LED ユニットを点灯させても問題なく動作しました。 フラットパッケージなので、全てチップ部品にして基板の小型化をしてやろうと設計し始めましたが、手間暇に負けて途中で止めます。 基板サイズは前作のまま(75mm x 49mm)。

今回も出力は 4 チャンネルなので、この MOS-FET を 2 個使います。


[DC-DC コンバータ部]

リニアレギュレーター LM78xx と置き換え可能という DC-DC コンバータ M78AR05-0.5(入力 6.5〜32V、出力 5V 500mA)というのを使ってみましょう。 前作の LM2594N5.0 は外付けにショットキーダイオードコンデンサ・コイルが必要だったのに対し、なんと M78AR05-0.5 は外付け一切なし。素晴らしい。これに決定!

M78AR05-0.5


[電源入力・チャンネル出力部]

前作では電源入力と LED ユニット接続は長さ 100mm の赤黒線をはんだ付けした物を引き出しただけのモノでした。

▼ 左側が電源入力線・右側が 4 チャンネル分の LED ユニットへの線

このリード線にギボシ端子など使って勝手に繋いで、という思いでしたが、この部分をスマートにターミナルブロックにしてみます。

▼ ねじ止め式のコレ


[フラッシュパターン数]

前作では 2bit の DIP スイッチで 4 パターン(トリプルフラッシュ 同時/交互、ランダムフォー 同時/交互)でしたが、今回は 4bit の DIP スイッチを用いて全 16 パターンを実現します。トリプルフラッシュ/ランダムフォー以外にも興味を惹かれるパターンを教えて頂きましたので、それを再現してみます。


あとは LED ユニットを接続しなくてもこれ単体でフラッシュパターンが確認できるようにモニター LED もつけてみます。 そうなると 12F629 だとピン数が足りなくなったので、上位の 16F628A を使うことにします。

そうそう、やっぱり PIC の ICSP は見送ることにしました。面倒。


▼ 回路図

LED 警光灯フラッシュユニット rev.2 〜1〜

思いのほか好評だった「消防車用 LED 警光灯ユニット」ですが、その中で使用しているパワー MOS-FET MP4401 が急に入手不可になったのと他にも色々思うところもあり、いい機会なので再設計することにしました。


http://www1.bbiq.jp/toshitin/elec_ledstrobo5.html

名前もここでは「消防車用 LED 警光灯ユニット」と書きましたが、上記のまとめサイトでは「LED 警光灯 5 台目」だったりしたので、これからは「LED 警光灯フラッシュユニット rev.2」と統一します。


まず 1 個に N チャンネル MOS-FET が 4 個入っている MP4401 ですが、前作では LED ユニットを 4 台動かすにあたり非常に都合が良いので選定したわけです。 この石は 1 チャンネルあたり 3A(ピーク 12A)もの電流をスイッチ出来る性能があるのですが、ハッキリ言ってオーバースペックなんですよ。 LED ユニットは最大でも 300mA 程度なのに。

それと最大 30V 程度の電源入力から PIC に必要な 5V を作り出す DC-DC コンバータの部分。コンバータ IC にコンデンサを二つとコイルが一つと部品が多すぎ。もっとスマートな方法無いの?

あと、出力各チャンネルに付けた保護用のダイオード、これ要る?

フラッシュパターンをもっと増やしたくない?

そうなると PIC をソケットから取り外さず、基板に差したまま即座にフラッシュパターンを書き換え出来るようにしたほうが良くなくない?

と言うことで、これらを考慮して再設計することにしました。


またしばらくお付き合いください。

サイレンアンプ SAP-500RBVZ を手に入れた

某オークションにて救急車用のサイレンアンプを購入しました。アンプを自作する以上、いつかは本物をと考えていましたが、今回の品が意外と低額だったので試しに入札したら落札してしまいました。

本当は「ハーモニックサイレンアンプ」が欲しいところなのですが、残念ながらこの度の品はノーマルサイレンです。しかしながら ch1 〜 ch4 までの音声合成音付きでしたので、良いものを安く手に入れられた満足感でいっぱいです。

リモートサイレンなどスイッチ類は、中立点付きトグルスイッチとプッシュスイッチと L アングルを買ってきて作りました。

▼ 自作スイッチ台

スピーカーは秋月通商で買った 16Ω10W のホーンスピーカーを使います。

▼ ホーンスピーカー

ここで注意点が一つ。 そのままスピーカーを繋げると音が大き過ぎて、おそらくスピーカーを壊してしまいます。 50W のアンプを積んでいるわけですから当たり前ですね。そこで、アンプのスピーカー出力線とスピーカーの間に手持ちの 1.8KΩ/1W の抵抗を入れてみました。 これでだいぶ音が小さくなります。

▼ 抵抗を間に入れる

ただし、これでも [弱] ボタンを押さないとご近所に気兼ねするほどの音量ですし、しばらく吹鳴していると抵抗がかなり熱を持ちますので注意が必要です。


というわけで、準備完了! 早速鳴らしてみましょう。 以前、作ったハイメディックの前面警光灯とフロントグリルにある警光灯をも繋いで動作させています。


▼ サイレンアンプSAP-500RBVZを自作LED警光灯と共に


▼ 本体に貼付されている「カプラ端子機能一覧」ラベル


オークション等で手に入れたこの手のモノには説明書など無いことが多く、たまに接続方法が分からないというような方がいらっしゃるようなので、端子ピンの接続方法を書いておきたいと思います。もちろん今回手に入れた SAP-500RBVK の場合ですが、他のアンプでも名称が同じならば対応するはずです。


[8Pカプラ側]

1番ピン [照明電源] = +にすると操作部の照明が点灯
2番ピン [電源起動信号線] = +にするとサイレンアンプ ON
3番ピン [アース線 -] = サイレンアンプの電源ー側
4番ピン [電源線 +] = サイレンアンプの電源+側
5番ピン [リモート線 -] = 電源ー側にするとリモートサイレン吹鳴(継続)
6番ピン [SP 出力 16Ω] = 16Ωスピーカーを繋ぐ場合に使用
7番ピン [SP 出力 8Ω] = 8Ωスピーカーを繋ぐ場合に使用
8番ピン [SP 出力共通] = スピーカーの−側をココに繋ぐ


[10Pカプラ側]

9番ピン [散光式警光灯電源入力] = 9,10ピン間はリレー。ここに電源+側を接続。
10番ピン [散光式警光灯電源出力] = ここに警光灯の+側を接続し、マイナスアース。
11番ピン [インジケーター入力線] = 警光灯の+側に接続すると操作部の「警光灯」ボタン上のLEDが点灯。
12番ピン [空き (アソビ線)]
13番ピン [1ch 音声連動線] = 電源+にすると発声開始。
14番ピン [2ch 音声連動線] = 電源+にすると発声開始。
15番ピン [3ch 音声連動線] = 電源+にすると発声開始。
16番ピン [4ch 音声連動線] = 電源+にすると発声開始。
17番ピン [ - ]
18番ピン [ - ]


分かり易く以下のような図にまとめてみました。

▼ サイレンアンプ SAP-500RBVZ 接続図




さて、実物を手に入れたら真っ先にしたかった事は鳴らす事などではなく、分解です!

▼ 上ブタ(端子機能一覧ラベルが貼ってあるほう)を開けたところ

メイン基板は 2 枚に分かれており、こちらはデジタル基板にとなっています。

▼ むむむ! 謎のディップスイッチが!!


何やら 8 ビットのディップスイッチがあり、「ひょっとして! これでハーモニックとかフェードイン・アウト機能がオンになったりして!!?」 とか期待しましたが、リモートサイレンの立ち上がり・下がり周波数の設定みたいです。いじったら「ウ〜」音が消防車やパトカーみたいな音に変化しました。

残念!

▼ デジタル基板・表側

▼ デジタル基板・音声 ROM

デジタル基板の上にはこのように音声 ROM 基板が載っていました。 M27C1001-12F1 という 1Mbit の EPROM です。これに「右に曲がります・・・」などの音声合成データが収録されているわけですね。 隣のは OKI M6650 というシンセサイザー LSI です。

▼ デジタル基板・CPU 部

メイン CPU の日立製 H8/3334 です。 16Mhz 駆動。 私が普段趣味で使っている PIC は 8 ビットマイコンですが、これは 16 ビット。 果たして 16 ビットなんて私なんかが触る日は来るんでしょうか(たぶんない)。 ラベル上の手書きの「2.3」というのはバージョンの事でしょうか。

▼ 操作基板

操作ボタンが塞がれている場所([警光燈] の下と [音声 ch1] の下の部分)にはタクトスイッチはありませんが、LED 自体は取り付けてあります。

▼ 操作基板・LED

ちなみにそのスイッチ部を針金で短絡してみたところ、どちらとも「ピッ」と操作音がして、 [警光燈] の下は反応なし、[音声 ch1] の下の箇所は ch2 の音声合成音「バックします ご注意ください」が流れました。 ボタンとしては無いですが、機能としては生きているようです。


さて、今度はアナログ基板のほうを見てみましょう。

▼ 下ブタ(型式のラベルが貼ってあるほう)を開けたところ

▼ アナログ基板・表側

最初開けてみた感想は「デジタルサイレンアンプと言う割には意外とアナログ部が多いな」というものでした。 左側に電圧レギュレタ IC 7805 があったのが微笑ましかったです。

上側中央にあるのは 16Ω または 8Ω スピーカーのためのインピーダンス・マッチングトランスでしょう。 その左側にある黒い四角いのが警光灯用のリレーで、デジタル基板とのインターフェイスは真ん中の灰色のコネクターで繋がるようになっています。


最後に隠しモードの解説をして終わります。

前面の型式のある部分はツメでパカッとフタが外れるようになっており、そこにディップスイッチが隠してあります。一説によるとパトライト社による遊び心とも言われているようで、これをいじるとリモートサイレン音がアメパトのようなイエルプ音とホーン音になります。

▼ 隠しディップスイッチ

4bit ディップスイッチの設定一覧は以下の通り(本体と同じく右端が LSB)。

0000 = イエルプ(長)
0001 = 〃
0010 = 〃
0011 = 〃
0100 = ノーマル
0101 = 〃
0110 = 〃
0111 = 〃(デフォルト設定値)
1000 = ホーン
1001 = 〃
1010 = 〃
1011 = 〃
1100 = イエルプ(短)
1101 = 〃
1110 = 〃
1111 = 〃




参考までに以前自作したハーモニックサイレンアンプと音を聴き比べるのも一興かと。

▼ 自作したハーモニックサイレンアンプ Mark-II


やっぱ本物のハーモニックサイレンアンプが欲しい!!